フライング・ダッチマンの1080円再発盤をいくらか買ってみたよシリーズのひとつで、プリティ・バーナード・パーディ(Bernard Purdie)、『スタンド・バイ・ミー』1971年発表作、これまた世界初CD化とな。
- Stand By Me
- Modern Jive
- Spanish Harlem
- Artificialness
- Never Can Say Goodbye
- Whatcha See Is Whatcha Get
- It's Too Late
- Funky Mozart
- You've Got A Friend
僕はパーディ大好きで、そのうち、彼の名演プレイリストをつくりたいとおもっているのだが、この盤をあのバーナードのレコードとおもって聴いたらそりゃあ食い足りない。むしろ、ヤング=ホルト・アンリミテッドの類いのインスト・ソウルとおもって聴いてみることをお薦めしたい。
いや、むしろこれは警告である。参加メンバーにチャック・レイニーやコーネル・デュプリー、さらにはギル・スコット=ヘロンの名前までみつけてしまったら、否が応でも丁々発止のファンク・ジャズ!という期待が高まってしまうが、もう一度言います、これはイージーで楽しいソウルであって、そういうものとして聴けば悪くないすよ。
ギル・スコット=ヘロンが参加している(4)、ニクソンのことを歌っているらしいが、彼にしてはリラックスして明るいムード。いつもとちがったギルの顔がみられるチューンという意味で貴重。
(8)の「ファンキー・モーツァルト」、ファンキー・モーツァルトっていうか、どちらかといえばファンキー・モンスターってな体、「ソウル・ドラキュラ」を連想してしまう。
バーナードが歌っているタイトル曲(1)が、このアルバムではやっぱりベストかなあ? ソウル・ナンバーとしてね。ドラムを聴こうとおもったら、(6)あたりが一番かとおもうが、じゃあ彼の名演プレイリストに入るかといえば、微妙なところ。
タイトでカチッと狂いのないドラミングが魅力のバーナード・パーディ。ギル・スコット=ヘロンやローランド・カークなんかのバックでは、息もつかせぬスリリングなタイコを叩くけど、なんせ自分のリーダー作ではその緊張感がさっぱり、ない。だからきっと、根っから気のいい、のんびりして陽気な男なんだよ奴は。ハードなドラマー「バーナード・パーディ」と、「ぷりてぃ・ぱーでぃとプレイボーイズ」は別もんってことで、そう考えると、確かにこのアルバムでは最初から最後までプリティ・バーディとしか名乗ってないんだよなあ。
*おもしろそうな記事があったんで、折を見て読んでみたいとおもいます。