ふつうの人はCDなんてもう買わなくなった

How unfashionable to buy music CDs nowaday

Lou Rawls / All Things in Time

1960年代からキャピトルでの吹き込みを中心に人気歌手だったルー・ロウルズ、PIRでは最初のアルバム、1976年発表。CD20枚セット、フィラデルフィア・インターナショナル・レコーズ「ザ・コレクション」では10枚目。

  1. You're The One 
  2. You'll Never Find Another Love Like Mine
  3. Time
  4. Groovy People
  5. Need You Forever
  6. From Now On ★
  7. Pure Imagination
  8. This Song Will Last Forever
  9. Let's Fall In Love All Over Again

ルーにとっても最大のヒットとなった2曲目、たしかに、彼の声とギャンブル&ハフサウンドががっちり組み合った一曲。

B面冒頭の6曲目、バニー・シグラーの曲も良きだ。このリズムが。なんだろうこの曲の、AORフュージョンのスムースさに近づきつつも、まだゴロッとした手応えの残っている感じ。もともと映画挿入歌だという7曲目も捨てがたいな。ルーの歌唱がたっぷり楽しめることに加えて、ドラムが素晴らしい仕事をしている。8曲目もそれに次ぐ。

ルー・ロウルズのような歌い手はなんて呼べばいいんだろうか、エンターテイナー? ちょっとちがう気もするが、ショウがよく似合うタイプの。一方では、たとえ曲を書いていなくても、1970年代のSSW的な雰囲気のあるダニー・ハサウェイみたいなタイプのシンガーがいて、他方では、ディスコやサンプリングにも良く合うリズム先導タイプのシンガーやコーラス・グループ。それともちがって、ソロで歌い上げる系の系譜。しかもオーティスやJBみたいに熱くなりすぎず、良い意味で職業歌手ともいうべき。マーヴィン・ゲイも初期段階はそんなイメージ。ソロになったスモーキー・ロビンソン。そういう系譜がアメリカ音楽の中にはある。いろんな理由で今はあまり評価されていないし、実は僕もあまり得意ではないが、そうした系譜の名盤・名曲がまた評価される将来もあるかもしれない。