ふつうの人はCDなんてもう買わなくなった

How unfashionable to buy music CDs nowaday

George Shearing Quintet / Rare Form!

ジョージ・シアリング、1963年録音、1966年リリースのライヴ盤。
バンドの編成がベースとドラムのピアノトリオに、時折からむパーカッションとヴィブラフォン、ギターというだけで、すでに素敵なのよ。ヴィブラフォンゲイリー・バートン、このライヴの演奏はシアリングの音楽によくマッチしている。

A1  The Sweetest Sounds (Richard Rodgers)
A2  Look No Further (Richard Rodgers)
A3  Hallucinations (Bud Powell
A4  Sunny(George Shearing, Milt Raskin)
A5  They All Laughed (George & Ira Gershwin)
★A6  Station Break (George Shearing)
B1  Over The Rainbow (E.Y. Harburg, Harold Arlen)
★B2  Why Not? (Doug Marsh)
B3  I'll Never Smile Again (Ruth Lowe)
★B4  Bop, Look And Listen (George Shearing)

 

軽快だけど端正でメロウ、端正でメロウなのに軽快なシアリング調に、たっぷりと浸ることができる一枚。

ヴァイブやギターとの絡みを楽しむには、アップテンポな曲でなら A3やB2、ゆったりとした曲でなら B4。「Hallucinations(幻覚)」という曲を弾いても、バド・パウエルとはちがう、シアリングのピアノ。ギターのロン・アントニーは、有名ではないのかもしれないけど、シアリングのピアノとよく響きあうすばらしいシングルトーンなのよ。

高速ブラシにコロコロ・ピアノの不思議な曲のA6は、それでいてどこまでもシアリング調。

一曲一曲が、逃げ去っていくがごとく短くて、それがたまらなく良い。超スタンダードのB1「Over The Rainbow」さえ、こんな儚さ仕立て。

 

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Milt Jackson / Olinga

ミルト・ジャクソン、1974年のアルバム。1972年の Goodbye や Sunflower(1972)と同様に、CTIからのリリース。

A1        Olinga (Dizzy Gillespie)
A2        Rerev (Jimmy Heath, Milt Jackson)
★A3    The Metal Melter (Jimmy Heath, Milt Jackson)
B1     The Steel Bender (Milt Jackson)
B2        Lost April (Delange, Newman, Spencer)
★B3     I'm Not So Sure (Cedar Walton)

 

シダー・ウォルトンロン・カーター、ミッキー・ロッカー、ジミー・ヒースという面子もなかなか豪華だが、シダーがエレピを弾いているのも楽しい。

アルバム名になっているA1「オリンガ」は、ディジー・ガレスピーの曲だが、最初にミルトを見いだして雇ったのはディジーで、当然そういう思い入れも入っているはず。

A1・A2はシリアスなクール・ジャズ風だが、A3になるとドラムが跳ねる軽快なチューンに。曲の終わり方がシュッとしてる。

B1もその路線で、ファンキーな曲にあっても、MJQよろしく端正なところがあるのがミルト・ジャクソンらしさ。彼のソロが存分に楽しめるB2も捨てがたいな。

B3でまたミッキーのドラムが、バーナード・パーディを思わせるような名演で、MJのヴァイブを盛り立てる。このエレキベースロン・カーターなんだよね?渋ファンキー!

 

Olinga (album).jpg

Duke Ellington / The Popular

デューク・エリントンをたまたま、まとめ買いしたよシリーズ。こちらは、1966年に演奏・録音された、エリントン傑作集。なぜか日本盤だけジャケットがちがって、デュークのどアップになっている。

 

A1  Take The 'A' Train (Strayhorn)
A2  I Got It Bad (And That Ain't Good) (Ellington)
A3  Perdido (Tizol)
A4  Mood Indigo (Bigard, Ellington, Mills)
A5  Black And Tan Fantasy (B. Miley, Ellington)
B1  The Twitch (Ellington)
B2  Solitude (Ellington, DeLange, Mills)
B3  Do Nothing Till You Hear From Me (B. Russell, Ellington)
B4  The Mooche (Ellington, I. Mills)
B5  Sophisticated Lady (Ellington, I. Mills)
B6  Creole Love Call (Ellington)

 

デュークなら、A4のように、少し怪しげな曲の方がいいね。それで、彼のピアノが主役の曲。そもそもの話、A2みたいに、メロディアスなサックスは苦手なんですよ。

B3、B4と、今度はローレンス・ブラウンのトロンボーン。B5はまた、ピアノが中心。

 

さすがはと言うべきか、ヒットソング集とはいっても、通俗的にはなっていない。
ただ、僕の好みから言えば、ちょっとムーディ過ぎるかな。

 

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