アルバムを20枚収録した Cal Tjader, Milestones of a Legend というCDセットから14枚目、Demasiado Caliente、1960年録音。このボックスセットではこのアルバム名の綴りがぜんぶまちがってるね、スペイン語で意味は Too Hot とな。
- Manila
- Key Largo
- Tumbao
- Bludan
- Chispita
- September Song
- Cal's Pal
- Para-Ti
- Mamblues
ピアノとしても参加しているエディ・カノ作の(4)・(5)・(7)が、いわゆるラテン・ジャズであることはまちがいないのだけど、ぜんぜんカル・ジェイダー的じゃなくて笑う。カルにははっきりとしたスタイルがあること、それにモンゴが作る曲はそのスタイルにしっかり適っているということが逆によく分かる。モンゴ作の(1)・(8)は、いずれもフルートをフューチャーしたご機嫌なナンバー。
(3)のコンゴのソロがえらく野性的だが、例によって最終的には涼しげなヴァイブが曲を締める。マーティン・デニーやレス・バクスターあたりがヒントになったのだろうとはいえ、濃ゆいラテン音楽にヴィブラフォンを混ぜるというのは凄い発明だ。ひいてはアメリカのジャズというフォーマットの凄さでもある。これがロックだと、たとえばビートルズがシタールを弾いたり、ムーヴがリコーダーを吹いたりしても、結局はSEかアクセントのような扱いにすぎず、意外と保守的だったりする。
このアルバム、(少なくともこのボックスセット収録盤では)録音がベストではないのが、ちょっと残念ではある。