フランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズ、オリジナル・アルバム18枚組ボックスセット、The Classic Albums Box の10枚目、1965年発表。
1 What The World Needs Now Is Love
2 Anyone Who Had A Heart
★3 Always Something There To Remind Me
4 Make It Easy On Yourself
★5 Walk On By
6 What's New Pussycat?
7 Queen Jane Approximately
★8 Mr. Tambourine Man
★9 Like A Rolling Stone
★10 Don't Think Twice
11 All I Really Want To Do
12 Blowin' In The Wind
フォー・シーズンズがバカラックを演るという期待感に加えて、同時にボブ・ディランのカバーもしている、という取り合わせの面白さ。1~6曲目のA面がバカラック-デイヴィッドの曲で、7~12曲目のB面がディランの曲という構成。
バカラックの優雅さから離れて、どこかコミカルなテイストが入るのもまた、彼ららしさと言うべきか。(3)などはペリー&キングスレイよ。(5)も同様に、珍味としての魅力。珍味なのだけど、聞けば改めて本当にいい曲だなあと、やっぱバカラックいいなという感想にぐるっと回って行きついて、つまりは良いトラックだ。コミカル全開な(6)Pussy Cat も嫌いになれないが、バランスで言えばやはり(3)や(5)。いずれにしても、一言で言えば、二枚目路線ではなく三枚目の、ロックの王道としては評価されにくいかもしれないが、たっぷりの魅力。
ディラン面はディラン面でおもしろいな。(8)の「ミスター・タンブリンマン」ときたら、この有名曲がすっかりフォー・シーズンズ風の曲調にというおもしろさ。こんなアレンジ、バーズやディランのファンは相手にしないだろうし、逆にもっとポップを求めるリスナーのニーズに合うかといえばそれも怪しく、そんなところがおもしろすぎる。(9)はさらにその「誰得」路線を追究して、良き&良き。Like A Rolling Stone が Twist and Shout と同形の曲だと気づかされるのは、シーズンズ音楽の(逆説的な)ラディカルさの証明ではないのか。といったことをあれこれ思った直後にまた、虫声でギミック満載の(10)のインパクト。(12)にしても、この曲が流れてきても「風に吹かれて」だとは、ちょっと気づかないかもしれないよ。