ふつうの人はCDなんてもう買わなくなった

How unfashionable to buy music CDs nowaday

Frankie Valli and Four Seasons / Working My Way Back To You

フランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズ、オリジナル・アルバム18枚組ボックスセット、The Classic Albums Box の12枚目、1966年発表。

1  Working My Way Back To You
2  Pity
3  I Woke Up
4  Living Just For You
5  Beggars Parade
★6  One Clown Cried
7  Can't Get Enough Of You Baby
★8  Sundown
9  Too Many Memories
10  Show Girl
11  Comin' Up In The World
12  Everybody Knows My Name

カバーアルバムがあったかと思うと、今度はオリジナル曲で構成されたアルバム。そして密かに進む進化、たんなるノヴェルティ・ソングにとどまらない要素が加えられて、「ロックな」と表現すれば、雑な表現かもだけど、一番分かりやすいか。洋の東西を問わず「人気バンド」の看板に反抗しながら自己を出そうとするバンドは多いけれども、その看板を平気で引き受けながら、さりげなく表現をヴァージョン・アップしているところにフォー・シーズンズの特徴はある。たとえば(5)なら、ボブ・ディランのちょっとコミカルなカバーを装って、ディープなオリジナル曲を滑り込ませていると言うような体なのよ。

好きだな、(6)。彼女にふられて内心泣いてはいても、人を笑わせるピエロの歌。映画『ジョーカー』を褒めるくらいなら、こちらもぜひ。軽みは深みのなさを、けっして意味しない。アナログ盤ならA面からB面にひっくり返す、(6)から(7)・(8)への流れも良くて。

(12)の「みんなが僕の名前を知っている」。(5)同様、ディランを三枚目にアレンジした風で、有名になることの悲哀を歌って、でもぜんぜん悲痛な感じはしない、させていないという曲。

こんな具合に、彼らが彼らの充実期に入ったことを示すアルバムだ。