たまたまデューク・エリントンのヴァイナルを何枚か手に入れたので、ぼちぼちと聴いていこう。1956年、ベツレヘムからの一枚。
A1 Summertime
A2 Laura
A3 I Can't Get Started
A4 My Funny Valentine
A5 Everything But You
A6 Frustration
B1 Cotton Tail
B2 Day Dream
B3 Deep Purple
B4 Indian Summer
B5 Blues
典型的なビックバンド・ジャズはそれほど好みではないのだけど、ピアノの伴奏が主で、レイ・ナンスがヴォーカルをつとめる A3 などはなかなか。感想ではヴァイオリンを弾く。黒人歌手には声質では性別が分からない人がいるけど、レイの声もそう。レイは、「A列車で行こう」オリジナル版のトランペット・ソロで有名なのだそう。
もうひとつのヴォーカル入りの曲は A5で、ジミー・グリッサムが歌っている。
A6 など、エリントンの曲にはうきうきのポップ味だけではなく、ちょっとした屈折を感じられるときがあって、いまだったら彼はどんな音楽を作るだろうなと想像してしまう。
B1、うむ、各奏者にソロを分配して、当時におけるジャズの代表作感あるね。安定したリズムが箱として機能しているところが、スウィング・ジャズの健康さ。ゆったりとB2、B3、B4、軽快なB5。余裕、余裕のジャズ。
そうか、デューク・エリントンは1899年の、19世紀生まれ、明治生まれなんだね。カウント・ベイシーが1904年生まれ、ベニー・グッドマンが1909年生まれなので、それよりもちょっと早い。逆に、そう考えると、いかにデュークが先進的だったかとも思う。
1899年生まれを挙げてみると、田河水泡、広沢虎造、川端康成、ヘミングウェイ、ヒッチコック。戦前世代の瀟洒なモダン。