ジャズ方面でも活躍してきた歌手、ジーン・カーンのファーストアルバム。名前の綴りは途中で Carn から Carne に変えたとのこと(夫と離婚したから?)。ウィキペディアには、ロシア語が流暢との謎情報も。ジーンは1976年から1981年までPIRに所属して、3枚のアルバムを残している。
CD20枚セット、フィラデルフィア・インターナショナル・レコーズ「ザ・コレクション」では13枚目。まだ13枚目か、聞き応えよ。
1 Free Love★
2 No Laughing Matter
3 I'm In Love Once Again
4 Don't You Know Love When You See It
5 Where Did You Ever Go
6 You Are All I Need
7 If You Wanna Go Back
8 You Got A Problem
9 Time Waits For No One ★
うーん、1曲目から、メローでゴージャスでディスコ。波止場のSEからはじまる6曲目。8曲目なども、ジーンの個性とPIRのサウンドがよく噛み合っている。ぐりぐりしたベースにジーンの歌声が絡んで素敵な9曲目。上品なるくすぐり感覚。
Blues & Soul 誌のウェブ版上、シモン・レドリーというライターさんの記事に、ケニー・ギャンブルにはじめて会って、PIRと契約したときのおもしろい証言が。
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ケニーは、(その当時共演していたキーボードの)エディ・グリーンを通して、PIRの事務所とスタジオで会わないかって言ってきたのよ。私は事務所に行ったのだけど、ちょうどその夜は、モハメド・アリのビック・マッチがある日だったの。私はPIRを訪問したけど、プロデューサーや作家はみな、そのために出かけるところだった。ケニーと私は15分だけ話をしたら、彼は試合を見に行くはずだった。でも結局、何時間も話し込んでしまって、ケニーは試合を見そびれてしまったのよ。私はとても申し訳なくおもったけど、彼は言ったのよ、「こっちの方がずっと大事さ」ってね。これって本当に「音楽家族」ってことだし、今じゃ私は、ケニー・ギャンブルの三人の子どものお母さんみたいなものだわ。